東海豪雨災害

東海豪雨の水害に遭遇して  校長 稲垣奉文

  • 学校だより「菊花石」160号 (平成12年12月22日発行) から転載して、当時の状況をお知らせします。
水没した本館廊下

 九月十二日午前四時十五分ごろ、学校に泊まった職員から「新川堤防決壊により校舎内に浸水現在床上三センチメートルで増水中」との報告が入りました。途中胸まで浸かりながら、普段なら三十分の行程を一時間以上かかり学校に到着しました。浸水は午前九時半頃が最大で床上約一メートルになりました。泥水に浸かった校舎、廊下に並んだ車椅子の水没、机の上まで泥水に浸かり書類や身の回りの物が浮いている職員室など惨憺たる状況でした。校長室、事務室、職員室、放送室、厨房等の一階部分は全て泥水の浸水被害を受けました。ガス以外の電気、水道、電話、エレベータ、防災設備等が止まり、放送機器、パソコン等の高額な備品を始め、教材・教具、職員の様々な持ち物までも水没し被害は甚大なものになりました。翌十三日には水が引いたため、職員が休み返上で懸命に復旧作業をしました。一階部分の全ての物を外に出し、水で洗い、乾燥、消毒し、元の位置に収める作業が続きました。十五日からは、盲聾養護学校の教職員、旧職員、保護者、交流相手校の新川高校生等延べ六百五十人余のボランティアの皆さんが連日にわたり、困難な復旧作業にご協力をいただきました。私達は疲労困憊の状態であり、正に「地獄で仏」の心境でした。互助精神がいかに大事なことかがわかった次第です。九月二十日にようやく学校の一部再開にこぎつけ、十月二日の給食実施で全面的に学校再開をすることができました。これまでに皆様方から寄せられました数多くの御厚情に、心から感謝申し上げます。まだ床の張り替え等の復旧工事は続きますが、全職員が力を合わせて、本校教育の充実にまい進していく所存です。誠に有り難うございました。

校舎復旧までの状況  教頭 杉浦隆久

 九月十二日に最大床上一メートルに達した泥水も翌日にはすっかり退き、職員総出で復旧作業を始めました。当初は電気も使えず不便でしたが、教室の復旧を優先して作業をしました。大勢のボランティアの力を得て、泥だし、水洗いを行い、衛生面を第一に考えて、念入りに消毒しました。 その結果、二十日には午前中二時間だけながら授業を再開することができました。一階は使用できないため、二階の教室を各部で融通し合って使いました。二十五日からは弁当持参で昼食後下校とし、午後は職員作業を継続しました。二十七日からは弁当持参で平常授業が始まり、十月二日から厨房の機器や食器等を新調し、学校給食が再開されました。 今後は床の全面張り替え、浸水部位の修理や塗装の工事が年度内に行われます。

◎浸水状況の記録

 校内では床上・・・約100㎝
 校内で一番深かった所(工作室西)・・・約140㎝
 思いもよらない所への浸水・・・ベニヤ板の引き戸の中、耐火金庫の中
 2000年9月東海豪雨 研究関連情報

◎東海地方集中豪雨による本校の被災者

 床上浸水床下浸水
児童・生徒 11 4
職員  5 6

◎東海地方集中豪雨による本校へのボランティア(延べ人数)

     ボランティア人数
学校関係職員約350
保護者等約250
交流教育・相手学校生(新川高校)約 50
       計約650